2008-01-30

ヤミ金業者が破産手続き!?

毎日新聞によると、京都市の男性2人が損害賠償=主に過払い金返還請求(計約1224万円)の不履行を理由に、債権者としてヤミ金業者(㈲ミノア)に対して破産を申し立てたそうです。
上記業者の資本金は800万円しかなく、賠償金だけでもこれを上回っていることなどから債務超過状態にあることを立証し、同年7月に破産を申し立てたとのこと。
ヤミ金被害者の申し立てによる同様の決定は全国初。

債権者から破産を申し立てるメリットは、裁判所が選任する破産管財人によって法律に基づいて厳正な手続により、財産の収集と換価をしてもらえることにあります。
倒産しても弁済しないで会社財産が流用されている場合や、任意整理で一部債権者に有利な換価や配当が行われるおそれがあるときに有効です。

デメリットとして債権者は、破産申立に際し支払不能の事実を疎明(通常は不渡り手形)する必要があります。また、予納金が申立人が負担すると言うことです。相手に資力がないと予納金も回収できないこともあるでしょう。
                                  K

2008-01-29

借金が原因の殺人事件の悲しさ

 28日に仙台市で父親が借金を苦にしての一家心中を図る事件があり、5人家族のうち妻と長女が刃物で刺されて亡くなりました。

 子供3人は二十歳前後の年で、家族5人で支えあっていけば経済的苦境も乗り越えることができたような気がします。もしかしたら容疑者である父親は借金のことについて家族に話していなかったのではないでしょうか。

 家族に相談できなくても、行政や司法書士、弁護士などの相談窓口を父親が利用していれば、家族全員の命を奪うほどの問題ではないということに気づいてくれて、このような結果にはならかったように強く思います。

 今回の件で、改めて、気軽に相談にお越しいただけるような事務所にしなければと感じました。

                                      司法書士 馬ちゃん

            

2008-01-28

過払い金返還請求の現状

 利息制限法が定めた15~20%の利率と、金融業者が定めた契約の際の利率が一致しない関係で、債務残高よりも払い過ぎた利息が高ければ過払い金が発生し、法律上は借主が金融業者に対して過払い金の返還を請求することができます。

 しかし、金融業者の経営状態の悪化で、最近は以前よりも難しくなってきています。クレデイアのように法的な手続きにより経営再建を図ろうとする業者や、債権譲渡や会社分割によって、貸金業から撤退する会社も多くみられます。

 私としては過払い金返還請求を金融業者に対してする場合には、当然のことながらお客様の利益のために、「1円でも多く、1日でも早く」返還してもらえるように考えていますが、金融業者の資金繰りの関係で、業者によっては返還日が6ヶ月後になるところもあります。

 訴訟提起することによって早期解決を図れる場合もありますが、ケースバイケースで一概には言えません。

 今後はより一層、単純な交渉方法では難しくなる可能性が高くなるでしょう。

                                    司法書士 馬ちゃん
 

2008-01-24

自己破産の申立てに必要な書類は?

 自己破産手続きは原則として書面審査にて行われます。そして書面上問題のある事案については裁判官が直接申立人と面談して調査します(名古屋地方裁判所本庁の取り扱い。裁判所によっては違う取り扱いをしているところもあります)。

 大きく分けて以下の書類が必要になります。

 1.申立人を確認するための書面
   ①戸籍謄本
   ②住民票の写し

 2.借金の状況を報告するための書面
   ①債権届  通常は業者に「債権届」という、借金の額を記載してもらった書面を裁判所に提出しますが、これは借金返済の際の振込みの明細などでも代用することができます。
 
 3.財産の状況を報告するための書面
   ①預金通帳のコピー
   ②生命保険・損害保険などの保険証書
   ③不動産の登記簿謄本
   ④不動産の固定資産税評価証明書
   ⑤車検証
   ⑥車の査定書    など

 4.生活の状況を報告するための書面
   ①賃貸借契約書(借家住まいの場合)
   ②家計の状況の報告書(1ヶ月の収入・支出をまとめたもの)
   ③給与明細のコピー
   ④源泉徴収票のコピー    など

 5.借金増加の原因を報告するための書面
   ①債務増加の経緯を書いた書面

 要するに裁判官は、①本人の確認をし、②借金の状況、③財産の有無、④生活の実態を書面により把握し、⑤借金増加の原因が浪費にあたらないかどうかを見極め、免責を認めるかどうかを判断するわけです。

                                 司法書士 馬ちゃん   


  

2008-01-23

景気の早期回復を!!

http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200801110037a.nwc

金融庁は10日、多重債務に苦しむ人への相談制度を効果的に広報するため、夕刊紙やスポーツ新聞に、全国の弁護士会や司法書士会などで借金問題の相談に応じていることを広告掲載する方針を明らかにした。官庁が夕刊紙に広告を出すのは極めて異例。

 消費者金融などから5件以上の借り入れがある多重債務者は昨年10月末で138万人を超える。借金苦による自殺などが社会問題となるなか、金融庁は自治体や日本弁護士連合会などと債務者向けの相談制度を整備し、救済に力を注いでいる。相談制度は自治体がホームページなどで広報しているが、債務者の目に留まりにくく、十分に周知できていないとの指摘があった。

 夕刊紙は消費者金融などの広告を多数掲載しているため、金融庁は「借金を抱えた人に相談体制があることを伝えやすく、一定の効果はある」(幹部)と判断した。

 一方、政府が官報に多重債務などで自己破産した人の氏名を公告していることに対し、無認可の「ヤミ金融」が貸付先開拓の情報源にしているとの見方がある。このため、金融庁は破産手続きを所管する法務省に情報が悪用される可能性を通知した。公告制度の変更は課題が多いが、法務省は対応の是非を検討するとみられる。

2008-01-21

自己破産ってどのような場合にするの?

 自己破産をしなくてはならない場合は単純明快、ご自分の収入で、借金を返済できなくなった場合です。また、現在の収入ではなんとか返済できそうでも、定年を迎える、または職を失う可能性が非常に高い場合など、近い将来返済ができなくなる可能性が高い場合にもすることができると考えて良いと思います。

 自己破産手続きの基本的な考え方は、ご自分の所有する財産を全部手放す代わりに借金を免責してもらう(棒引きしてもらう)というものです。ですから、不動産や自動車、株券などめぼしい財産は手放す覚悟が必要です。

 ただし、財産価値が低い自動車や、解約すると本人に大きな不利益が発生する生命保険などは維持したまま自己破産手続きを進めることが可能な場合もあります。

 自己破産ができるかどうか(厳密に言うと免責決定が出るかどうか)の第一関門は、債務超過になっているかどうか(自分個人の収入で自分個人の借金を返済できないかどうか)です。ここでは原則としてご本人の収入だけが問題となります。同居の方に収入の多い方がいても、基本的には自己破産できないことはありません。

 第二関門として、借金が増えた原因が浪費に該当しないかどうかです。浪費とは、ギャンブルや風俗店、ホストクラブ、ブランド物の大量購入、自動車の改造など、要するに日常生活に不必要な出費をしていないかどうかと言うことです。ただ、前回も書かせていただいたとおり、ギャンブルをしたことがあるから即アウトではありません。

 最後に、不動産や自動車などを所有されている場合に、マイホームやマイカーを手放す覚悟があるかどうかということです。自動車はまだしも、不動産はほぼ確実に手放す必要がありますから、その点の覚悟ができていないと厳しいでしょう。

以上の3点を満たしていれば自己破産で経済的苦境を脱出できる可能性は高くなります。

                               司法書士 馬ちゃん

2008-01-18

ギャンブルしてると自己破産できない?

 自己破産をすると、財産処分が前提にはなりますが、負っている借金が「0」になります。

 一般的なイメージとしてギャンブルなどの浪費が借金の原因だと自己破産ができない(厳密に言うと免責決定が下りない)ということになっています。

 確かに破産法第252条1項4号に免責不許可とする場合として「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」とあり、浪費が免責を認めない原因になることが法律で明記されています。

 ところが実際は、私も今まで数多くの破産手続きに関与させていただきましたが、「この人は浪費がひどいから免責が下りないかも」と思った方でも、なんとか免責が下りるんです。

 裁判所の考え方として、浪費行為が極端にひどい方以外は、経済的やり直しの機会を与えた方が社会全体の利益になると考えているのではないかと思います。

 ですから、借金でお困りの方が「私は競馬やマージャンが借金の原因のひとつだから自己破産できない」とお考えでしたら、必ずしもそうではない可能性も充分あるかと思いますので、もしよろしければご相談下さい。

                               司法書士 馬ちゃん

2008-01-17

090金融

http://mainichi.jp/photo/news/20080115k0000e040074000c.html

以下引用

事務所を構えず携帯電話だけを使って高金利で違法な貸金業を営むヤミ金融「090金融」の被害が急増している。弁護士や被害者の会で作る全国ヤミ金融対策会議による告発件数は5年間で8倍以上に増えた。警視庁など捜査当局は090金融の取り締まりを強化、出資法改正による厳罰化も進んでいるが、業者が摘発逃れの手法を次々と生み出す「いたちごっこ」が続いている。【曽田拓】

 対策会議は02年から、ヤミ金業者の全国一斉告発をしている。02年に業者の電話番号が特定できた告発は2318件。このうち携帯電話が連絡先となっている業者は4%弱の90件にとどまった。

 その後、03年をピークに固定電話を使う業者の減少傾向が続くなか、携帯業者の告発は増加傾向。05年から2年連続で300件を超え、07年は742件と全体の60%近くを占めるまでになった。

 顧客とも会わずに融資する090金融は、他の違法業者に比べて摘発が難しい。最近はレンタルの携帯電話を使ったり、利息の振り込み用に返済の滞った顧客から買い取った口座を利用するなど、違法融資が発覚しないよう工作をするケースが多いという。

 警視庁生活経済課が07年摘発した事件でも、巧妙な摘発逃れの手法が浮かび上がった。9月に逮捕されたグループは、東京都内のカラオケボックスを転々としながら営業を継続。11月末に摘発された2グループは、最もリスクの高い現金の引き出しをアルバイトに担当させていた。

 都貸金業対策課によると、全国の貸金業の登録業者数は02年度末の2万6281業者から昨年度末の1万1832業者に減っている。対策会議事務局長の木村裕二弁護士は「違法業者全体は減少しているが、携帯と口座だけで始められ、摘発も逃れやすい090金融を始める業者は増えている。ヤミ金融が使う他人名義の口座や携帯電話を迅速に凍結できる被害防止策が望まれる」と話している。

2008-01-15

生活保護の申請に同行して

 本日、先日申し上げていた生活保護の申請に同行してきました。

 名古屋市近郊のある市の市役所に行ってきました。

 ご本人の話だと、「家賃が高いので生活保護は無理」と言われたとのことでした。

 しかし、私の知識では家賃は生活保護基準の金額よりも低く問題がないはずでしたので、その点を確認することをポイントに、再度の申請に同行したのです。

 福祉課の窓口に行くと、「奥のほうへ」と相談室に案内されました。

 てっきり私の入室はNGかと思っていましたが、ご本人が、私が司法書士で生活について継続的に相談に乗ってもらっていることを述べられると、同席を許されました。

 私が事前に持参する書類の案内をご本人にしていたこともあり、不足の書類はなく、それらの書類を基に申請の話がスムーズに進みました。

 前回問題になった家賃の話しは全く出ず拍子抜けしました。

 約3時間、関係書類の作成にかかりましたが特に私があえて口をはさむ必要がある場面もありませんでした。

 とりあえず申請を受理してもらい、どうやら20日程度で生活保護費が支給してもらえそうです。

 市役所を出たときに、ご本人が、「前回と全然対応が違いました。やっぱり法律家がいると違うんですね」とおっしゃられました。役に立てたことにうれしさを感じつつも、相手によって申請を受け付けるかどうか対応を変えていることに少し怒りも感じました。

 生活保護費の不正受給が問題になっていますが、おとなしく、まじめで、担当者に文句もいえない人は権利を行使できない制度、それが生活保護の制度のようです。

                               司法書士 馬ちゃん

2008-01-10

根本的な解決になるのでしょうか?

ネットカフェ難民:都が支援 無利子で最大60万円

http://mainichi.jp/select/today/news/20080109k0000e040038000c.html

住居がなく、インターネットカフェや漫画喫茶などに寝泊まりする、いわゆる「ネットカフェ難民」を対象に、東京都は08年度、賃貸住宅の入居費用などを無利子で貸し付ける支援に乗り出す。全国の約4割を占める都内のネットカフェ難民に安定した生活を促すのが目的で、自治体としては初の試み。
 厚生労働省が07年8月にまとめた調査によると、ネットカフェなどに週の半分以上宿泊する人は、全国で約5400人と推計される。このうち約2000人が東京23区内に集中していた。彼らに住居を確保できない理由(複数回答)を聞いたところ、▽敷金など初期費用がない(66%)▽家賃を払う安定収入がない(38%)▽保証人ができない(31%)--を挙げた。
 都の支援策は、正規雇用先を見つけるなど安定的な生活が見込める人を対象に、賃貸住宅の入居費用や当面の生活資金として、最大60万円を無利子で貸し付ける。また、専用の相談窓口を設け、社会福祉法人などに委託して生活相談や住居探しを手助けする。
 都は「住居がないため正規雇用に至らない悪循環に陥っている人が多い。問題を放置すれば、路上生活をせざるを得ない人が増える」と、早期自立の必要性を説明する。


貸したお金は返ってくるのかな!?
それよりも、職業専門学校みたいな所を作って無料で受け入れるとかした方が
よっぽど日本経済の為になると思うけどな☆


K

2008-01-09

悪質商法への対策として消費者契約法改正へ

 公的機関への相談件数が年間100万件を超えている「悪質商法」への対策として、内閣府が消費者契約法を改正する方針のようです。

 私も今週、自宅のリフォームの請負契約で、「抽選で当たれば工事費用30%OFF。ただし今年中(平成19年)に契約をすることが条件です。」という勧誘に引っかかってしまった方から相談を受けました。

 ご本人は、今年中に契約することを強く勧める業者の話に乗せられて契約書の内容も十分に確認することなく契約をしてしまい、後々契約書を見たところ、30%OFFになる前の工事費用が相場よりもかなり割高で、結局は他社と契約した場合よりも高い費用の支払いをすることになってしまったのです。

 この件を現在の消費者契約法に当てはめると、業者から品質や価格に対する虚偽の告知はなされておらず、そもそもの契約金額の妥当性をしっかりと判断させないような強引な勧誘がなされたに過ぎないため、この方を消費者契約法で救済するのは難しいということになってしまいます。

 今回の改正では、商品の品質や価格に問題が無い場合でも、このような強引な勧誘が行われた場合には消費者は契約を取消すことができるようになりそうです。

 ただ強引な勧誘があったかどうかの立証が困難な気がしますので、一部立証責任の転換も必要ではないでしょうか。

 もちろん、安易に契約しないことが一番です。

                                 司法書士 馬ちゃん

2008-01-08

生活保護行政の現場は・・・

 今日、1年ほど前に依頼いただいていたお客様がおみえになり、生活保護の申請ができないことについての相談をされていきました。

 収入が生活保護の受給基準を満たしているにもかかわらず、「基準は満たしているが、親族に援助をしてもらえれば生活はできるはずだ」という話だったようです。

 生活保護の申請も受け付けさせないようにする「北九州方式」は有名ですが、愛知県でも似たようなもののようです。

 とりあえず、現在生活に困っていらっしゃるのは事実ですので、行政の指摘が果たして正当なものかどうかの確認も兼ねて市役所への申請に立ち会うことにしました。

 わずかでも助力になればと思います。

                                 司法書士 馬ちゃん

2008-01-04

新年を迎えて

 新しい年がスタートしました。

 皆様、穏やかな一年の始まりとなったでしょうか?

 正月をゆっくり自宅で過ごしていると、ふと思い出したことがありました。

 「先生、借金してるなんてことは他人には当然、身内にも相談できん。わしはたまたま新聞記事を見て借金を楽にする方法があることを知ったからこうして相談できてるけど、世の中にはまだまだそういうことを知らずに、借りたものは返すのが当たり前という気持ちで苦しみながら返済している人がいっぱいいるよ。」という年末に相談にみえた方の言葉でした。

 「僕がこうしてのんびりと過ごしている時間も、苦しみに耐えて頑張っている人がいっぱいいる。もしかしたら僕の知っている人の中にも人知れず悩んでいる人もいるかもしれない。」

 今年も、人生を穏やかに暮らせるようになる人が一人でも多くなればいいなと思います。

                                   司法書士 馬ちゃん

2008-01-03

あけましておめでとうございます。

新年 あけましておめでとうございます。
本年が 皆様方、特に債務を抱えてお悩みの皆様にとってよい年となることをご祈念申し上げます。
我々としてもできるだけ、皆様のお力になれるよう精進してまいりますので、お気軽にご相談ください。

名古屋の司法書士 真