利息の過払い金について、相手が大手であれば、こちらが訴訟提起すると、遅くとも第二回口頭弁論までに被告の方からアプローチがあり、金額や返還時期の交渉を経て、被告の任意で返還されることが大半です。
しかし、小規模な業者はもとより、中堅の業者の中のなかにも、多数の過払い金返還請求により資金繰りが悪化し、こちらの希望にほど遠い金額(請求金額の10%など)しか払えなくなってしまっている業者もあります。
このような業者が請求相手の場合は苦労します。
裁判所で勝訴判決を得て、それが確定したとしても、強制執行の段階で、差し押さえるべき資産がないからです。
そこで私は、同僚の司法書士と協力し、請求相手の会社に返済をしている方に対して請求相手の会社が有する「貸金返還請求権」に対して差押えをして、お金を返してもらう代わりに請求権をいただくことにしました(転付命令)。
こうすれば、例えば業者に50万円を返してもらいたい時に、業者に50万円借金をしている人を探してその方の了解を得て差押え+転付命令を得れば、業者は法律関係から離れ、50万円を返してもらいたい人が新たな貸主になります。
借主の方が、しっかりと返済をしてくれるかどうかという問題がありますが、例えば、40万円を分割で払い終えることを条件に残りの10万円を免除するという契約にすれば、借主の方の返済に対するモチベーションが高まり、スムーズに行く可能性が高くなるのではないかと思います。
現在、東京地方裁判所に「差押え及び転付命令の申立」を行っていますが、あまりこのような事案がないようで、請求債権特定のための記載の仕方などについて担当裁判官と書記官が協議していて、進行が止まっています。
進展があれば、またご報告致します。
司法書士 馬ちゃん
2008-07-17
過払い金回収のひとつの方法