厚生労働省が28日に発表した労働者派遣事業報告によりますと、2006年度派遣労働者数は前年度と比べて26.1%増の321万人に達したということです。
派遣社員の人の平均賃金は1日(8時間)あたり1万571円で、前年度と比べて0.5%増と、こちらも増加したということです。
前年度と比べて派遣労働者数が劇的に増加していることについて。
これは、調査基準の変更などが影響しての数字なのか、実質的に増加したのか、疑いたくなるような増え方ですね。
2006年度の数字なので、2007年度の数字が別の傾向を示すかもしれませんが、最近これだけ派遣労働に対するマイナスイメージ(働く人にとっての不利益 金銭的な問題、技術取得が困難な問題、社会にとっての不利益 安定した収入を得られない人の増加による社会保障に対する負担の増加)が強くなっているはずなのに、事実は派遣で働いている人が増え続けているとは正直驚きました。
三井住友銀行のように派遣社員の正社員化を決定した会社もありますが、このようなことはまだほんの一部での動きということでしょうか。
派遣社員の方の平均収入は1ヶ月働いて支給額で23万円、手取りで20万円というところでしょうか。
20代の一人暮らしであれば、なんとか生活していける金額ですが、結婚して子供を産むことを考えると賞与がない分厳しいでしょうね。
やはり、正社員と同程度の仕事をしていながら、同程度の受益を受けられない「派遣」という働き方は、限定的に活用するべきものだと思います。企業も、それから働く方も。
働く方が「派遣を選ばざるをえない」状況を、政府が立法措置も含めた対策に早期に乗り出すことを期待します。
司法書士 馬ちゃん
2007-12-31
派遣労働者が過去最高に~321万人~