2008-08-25

クレディア再生計画案の認可決定出る

 本日、株式会社クレディアから、東京地方裁判所にて行われている民事再生手続きに関して、クレディアが裁判所に提出していた再生計画案に対しての決議の結果、再生計画案が認可された旨のFAXが届きました。

 都市銀行などの大口債権者がどういう行動に出るのか注目していましたが、少なくとも反対はしなかったようで、めでたく認可となりました。

 実際に過払い金返還請求をしていた各依頼者の手元にお金をお渡しすることができるのは、当初の見込み通り、年末頃になりそうです。

 もし、再生計画案が不認可になった場合、破産手続きに移行し、配当額が大幅に減額される可能性もあっただけに、良い結論になったと思います。


                                司法書士 馬島 洋介

2008-08-21

派遣労働の実態

 20日、厚生労働省の調査で、2007年に労災で被災した派遣労働者が2004年に比べ、約9倍になったことがわかりました。

 製造業や運輸業などの危険な職場で、安全教育を充分に受けさせてもらえずに働かされている現実があります。

 私の依頼者にも多くの派遣労働者の方が多くいらっしゃいます。

 工場で生産ラインに入って仕事をしているという話をよく聞きます。

 私も大学時代にアルバイトで工場でのライン作業をしたことがありますが、コツをつかむのに、ある程度の時間がかかるし、安全と危険のボーダーラインがわかるようになるのにも時間がかかります。

 派遣社員の方の中には、そういった時間的余裕もなく、次々と新しい職場へと変わっていく人もいます。

 派遣社員の方は、工場内に掲示されている「安全第一」の標語をどのような気持ちで眺めているのでしょうか。


                                司法書士 馬島 洋介

 

2008-08-13

生活保護費の不正受給が続発する背景は?

 先日の新聞に次のような記事が掲載されていました。

 埼玉県深谷市で、元暴力団組員が行った生活保護費の不正受給に関する、生活保護法違反での立件を埼玉県警が見送ったというものでした。

 市の担当職員は、元暴力団組員の申請内容が虚偽であることを認識し、さらに埼玉県の監査係から不正受給の疑いを指摘された後も、その指摘を無視して、生活保護費の支給を続けていたということです。

 生活保護費の不正受給は、色々な犯罪の構成要件を構成する行為です。

 市側が申請の内容を信じて生活保護費を支給していれば詐欺罪に該当しますし、申請行為を暴力的・威圧的に行えば、恐喝罪に該当します。

 しかし、今回の事件では、埼玉県の監査係の指摘により、不正受給の認識が職員にはあったものと考えるのが自然ですから、市側が騙されていたとはいえず、詐欺罪では立件できず、また、暴力的・威圧的な行為があったかというとそういうわけではなく、むしろ担当職員が自ら申請内容を用紙に記載することもあったということで、とても恐喝罪での立件もできない。

 最後に、生活保護法違反についても、市側は被害者ではなく、むしろ積極的に不正受給に協力したものと判断し、これについても立件は難しいとの結論に至ったようです。

 生活保護についての問題点として、必ず挙げられるのがこの不正受給の問題です。

 自分よりも強い者には弱く、自分よりも弱い立場の者には強くという、生活保護の理念とは決して相容れないようなことが実際起きているということを改めて認識した事件でした。

 余談ですが、市役所職員は、不正受給により何らの利益も受けていないので、背任罪などで立件することは難しいようです。

 少しでも元暴力団員から不正受給した生活保護費の返還があればいいのですが。


                               司法書士 馬島 洋介
  
 

 

 

 

2008-08-05

オリックスとクレディセゾンが経営統合?

 5日、オリックスとクレディセゾンが経営統合を検討していることが判明しました。

 法人分野を得意とするオリックスとリテール(個人)分野を得意とするクレディセゾンの経営統合はお互いの弱点を補完できる関係にあり、統合の効果は大きいものと思われます。

 私の2社に対するイメージを申し上げると、クレディセゾンは標準的なクレジット会社、オリックスは独特のにおいのする会社という感じでしょうか。

 オリックスはかなり前からキャッシングの利率を利息制限法の制限利息内に設定していて、その点については良いのですが、反面、債務整理の際の対応は非常に厳しいものがあります。

 司法書士が介入した場合は、他の会社であれば、貸金返還請求訴訟の提起を中止したり、既に提起済みの訴訟を取り下げたりと、債務整理手続きを尊重して裁判手続きを回避してくれるのですが、オリックスは司法書士の介入を認識してからも、訴訟提起を平気でしてきます。

 訴訟提起は貸している側の権利ですから、「絶対に訴訟提起するな」とは言えませんが、他の会社が自粛してくれている中でのオリックスの行為はなかなかすごいものがあります。

 最終的には訴訟を取り下げてもらうことはできるのですが、他の会社と一線を画した対応は社風がそこに表れているということなのかもしれません。

 話がそれましたが、株式の時価総額では圧倒的にオリックスの方が高いので、オリックス主導での協議ということでしょう。

 ただ、検討中という段階らしく、スムーズに話が進むかどうかは不透明な部分もあります。



                                   司法書士 馬島 洋介