21日に東京地方裁判所にクレディアが再生計画案を提出し、22日にクレディアのホームページ上で内容のプレスリリースがありました。
内容としては簡単に申し上げると以下のとおりとなります。
①30万円までの債権については、全額を一括で弁済する(12月下旬予定) 。
②30万円を超える債権については、30万円までは全額、それを超える金額については40%の率で一括で弁済する(12月下旬予定) 。
③債権届を提出していない過払利息債権を有する人についても弁済の対象とする。
①及び②については、私の正直な感想としては予想以上の案だなというものです。一時期、少額債権保護の基準額が60万円、弁済率は50%になるのではないかとの噂が流れた時があり、それよりは後退していますが、、民事再生における弁済率が20%程度なのが通常であることを考えると、充分賛否を検討するに値する案のように思われます。
特筆すべきは③です。クレディアに対して取引履歴の開示請求をしたものの、債権が少額(例えば10万円)で、通常の弁済率で計算すると大した返金が見込めないことや、返金がいつになるかわからないために、東京地方裁判所に債権届を届出期間内(去年の11月26日)に届け出なかった人も救済されることになりますし、今後、過払い金返還請求をする人も救済されることになりそうです。
③についての手続きに疑問な点がいくつかありましたので、クレディアの民事再生手続きの代理人弁護士に問い合わせたところ、例えば今日(5月27日)に過払い金返還請求をしようとする人は、「まずクレディアに取引履歴の開示を請求して欲しい。そうすればクレデイアから必要書類を郵送する。」とのことでした。また上記に述べたとおり、クレディアから関係書類を受け取ったが、なんらかの理由で債権届の届出をしなかった人も、「今日以後に裁判所に届出をすれば、再生債権として取り扱い、①及び②の条件で返金をする。」とのことでした。
再生計画案が認可されることが前提ですが、少額債権が保護されることと、時間的な不平等(去年の11月26日の前後によって救済される人とされない人が発生すること)が生まれない方向になったことについては、良かったのではないかと思います。
司法書士 馬ちゃん
2008-05-27
クレディアの再生計画案について
2008-05-23
久しぶりに手強い「ヤミ金」登場
先日、1ヶ月ぶりに「ヤミ金」の依頼があり、5社(5人?)と交渉を行いました。
5社中3社は、「覚えとけよ。」「おんたの名前覚えとくからな。」などと捨て台詞をもらいつつですが、スムーズに貸し借り無しということで話がつきました。
1社はご本人が2万円借りたまま1回も返済していなかったため、ヤミ金業者がどうしても引き下がらず、6月上旬に元本の2万円を返済することで、OKをもらいました。
手強かったのは残りの1社で、既に借りた金額以上の返済をご本人がしているにもかかわらず、「あれは利息として受け取ったものだ。だから元本はまだ残ってる。絶対に返せ。」の一点張りで、私としては穏やかに「ご本人に返済能力はありませんから返済は無理なので、今まで返済した金額を返せとは言わないから、もう手を引いてもらっていいですか。」と話したんですが、交渉中に突然電話を切られ、その日のうちに、ご本人の奥様の職場へ嫌がらせの電話が10数回があったようです。
その後、再度交渉してなんとか話がまとまりましたが、一時はどうなることかと思いました。
ご本人や、そのまわりの方が、ヤミ金と対決する覚悟があれば交渉としてはやり易いのですが、今回のように、相手が強硬な態度に出たときに、ご本人たちが「嫌がらせされるのなら、お金を払った方がいい。」と考えてしまうと、まさにヤミ金の思うつぼになってしまいます。
やはり、ヤミ金に借りる前に、ご相談にお越しいただくのが一番ですね。
司法書士 馬ちゃん
2008-05-14
過払金返還請求の訴訟を提起すると・・・
過払金返還請求の訴訟を提起すると、大半の場合は被告は主張すべきところがなく、始めから「白旗」状態ですが、時々、一見してクリスマスプレゼントかと思うほどの答弁書や準備書面を送っていただけることがあります。証拠の書面も含めてページ数200ページを超える場合もあります。
基本的には定型のものが多いのですが、定型だから真剣に読まなくてもいいと油断してると、被告の重要な主張が記載されていたりと、なかなか読み応えがあります。
しかし、膨大な答弁書や準備書面を出されれば出されるほど、なんか戦闘モードになって、こちらもいつもにも増して、しっかりと準備書面を作り込んで反論や主張をしております。
大手消費者金融C社のご担当者様、それにしても、あの膨大な分量はなんとかなりませんか?
司法書士 馬ちゃん
2008-05-07
GEがレイクをアコムに売却
米国の大手金融機関であるゼネラルエレクトリック(GE)が、その傘下の会社であるGEコンシューマー・ファイナンス(レイク)を、三菱UFJ系列のアコムに売却を検討していることが、5日、明らかになりました。
既に、九州地方を基盤として全国展開していた三洋信販(ポケットバンク)を三井住友系列のプロミスが買収して傘下におさめていますが、今回の件はこの流れにそうものであると言えます。
注目すべきは顧客に対する影響ですが、プロミスと三洋信販の件で見てみると合併や営業譲渡などはされておらず、三洋信販の名前は残っています。ですから、基本的にはファイナンス部分の一本化という側面が強いような気がします。
アコムとレイクについても、同じような経営戦略で営業が行われるのではないかと思います。
これで残る大手は、アイフル、武富士、CFJ(ディック)といったところでしょうか。
最終的には3~4つのグループに統合される可能性が高いのではないかと思います。
司法書士 馬ちゃん
2008-05-01
大阪地裁は、23日、呉服過量販売について、信販大手「オリエントコーポレーション」と大阪市の呉服販売会社「健勝苑大阪」(清算中)の共同不法行為を認め、すでに支払われた代金の一部を両社が連帯して賠償するように命じる画期的判決を下した。
判決は、信販会社が販売会社の社会的に著しく不相当な販売行為を知っていた場合には、これを助長したものとして不法行為を構成する場合があるとした。そのうえで、オリコは、健勝苑の従業員である原告が頻繁に高額な自社商品を連続して購入していたこと、原告の高齢、限られた収入等を知っていたこと、健勝苑にとって唯一の加盟店契約を締結している信販会社として独占的地位にあったこと、展示会場に従業員を派遣するなど強い提携関係にあったことなどから、健勝苑の不適切な販売行為を知っていたとし、オリコと健勝苑の共同不法行為、クレジット契約の公序良俗違反を認めた。
従業員にハードルの高いノルマを課し、ノルマが果たせないからといって支払い能力の無い消費者に売りつけた呉服屋が一番悪いのですが、オリコの社員側にもおそらくノルマがあり、加盟店からの売り上げ手数料欲しさに安易に加盟を許したのでしょうね。
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