高齢者がお金に困ったときに利用されているのが、「年金担保」です。
年金を担保に入れさせて、返済額を借主から入金してもらうのではなく、入金された年金から直接差し引くことによって、返済の確実化を図っています。また。仮に借主が自己破産の申立てをし、免責が認められたとしても、年金担保により借り入れた借金は免除になりません。
以上のような理由から、貸主はほぼ確実に貸付金を回収することができます。
現在、年金を担保にして貸付を行うことができるのは、独立行政法人の福祉医療機構だけです。
生活費の意味合いが強い年金を担保にしてお金を借りることは、その後の生活費に不足が生じ、生活が行き詰る可能性があるため、一般の金融業者には許可していません。
現在は使途を問わずに貸付けを行っており、なかには遊興費に充てるために借り入れをして、その後生活が困難になり、生活保護の申請をするという借主が増加したことから、使途を生活費などに限定したり、審査を厳しくし、社会保障費の増加につながらないように手続きを改めるようです。
私としては、年金担保の存在意義自体がないように思いますが、いかがでしょうか?
司法書士 馬ちゃん
2008-02-29
年金担保の規制強化へ
2008-02-27
やはり控訴されました
先週書かせていただいたA社との訴訟ですが、A社が控訴し、舞台を名古屋高裁に移すことになりました。
A社は、こちらの仮執行を防ぐために執行停止の申し立ても同時に行い、600万円の担保を積むことを条件に、執行停止の決定が出されました。
控訴されることはある程度予想していましたので、「やはり」という感想ですが、また半年程度の時間がかかることになり、訴訟提起から1年程訴訟係属する事件になりそうです。
気持ちを入れ直し、また、がんばるぞ!!
2008-02-26
借金で死ぬな!樹海の看板29人救う
読売オンラインニュースより
「借金の解決は必ず出来ます!」。全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会(東京・神田)が、こう呼びかける看板を山梨県・富士山ろくの青木ヶ原樹海入り口に設置して1年余。
24時間の相談電話番号も併記して、自殺を図ろうとする人を瀬戸際で助ける試みだ。これまでに少なくとも29人が救われたという。
千葉県の運転手の男性(44)が樹海に入ったのは、昨年11月半ば。持病が悪化して昨年6月に会社を辞め、車上生活を余儀なくされていた。消費者金融の借金は150万円に膨らみ、家族とも疎遠。足は自然と樹海に向かった。
約2週間さまよい、死にきれず、保護された警察官から、同協議会に相談してはどうかと言われた。
「話を聴いてもらえますか」。恐る恐る電話した男性に、相談員は「大丈夫。やり直せます」とキッパリ。その一言で「助かるかも」と思った。警察官がポケットマネーで電車賃を出してくれ、同協議会へ向かった。
だが、野宿続きで衰弱し、右足の一部が壊死(えし)していたため神田駅で倒れた。駅に迎えに来ていた相談員が119番通報し、都内の病院へ運ばれた。現在は生活保護を受け、リハビリを続けている。退院後は、自己破産などの方法で債務を整理し、再就職を目指す。
再起の青写真が描けるのも、弁護士らと連携する同協議会の支えがあるからという。「あの電話が、人生をやり直すきっかけになった。福祉の職に就き、今度は自分が人助けできないか」。今はそう考えている。
まだまだ大多数の方は、自己破産の事を誤解していたり、ヤミ金が違法であり、解決策があるということを知らなかったり、 任意整理や個人再生又は過払い金返還訴訟により、人生の再スタートをする方法を知らなかったりするのだろうなと思いました。
一人で悩まずに、気軽に当事務所へご相談しに来ていただけたらと思います。
K
2008-02-20
米シティ、消費者金融「ディック」売却検討 米紙報道
米金融最大手シティグループが、日本で「ディック」ブランドなどで展開している消費者金融事業の売却を検討していると、米経済紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が19日報じた。サブプライム住宅ローン関連の巨額損失でリストラを急いでおり、日本をはじめ欧州や南米での消費者金融や個人向け事業が売却の対象になっているという。
同紙によると、シティ幹部は、同社傘下で「ディック」などを展開するCFJの事業について、撤退したほうが良いとの判断に傾いているという。関係者の話として報じた。
シティは07年1月、日本で「灰色金利」を撤廃する貸金業規制法が成立したのにともない、「ディック」などの消費者金融の店舗の8割超を削減していた。
とうとう、サブプライム問題の波がここまで押し寄せて来ました・・・
K
2008-02-19
今さらながら、最高裁平成20年1月18日判決について
今日は、昨日の名古屋地方裁判所での不当利得返還請求事件の勝訴判決を受けて、被告の控訴の可能性を検討する過程で、最高裁平成20年1月18日判決の判決文を再度読み返していました。
簡単に言えば、貸金業者側に有利で、消費者側に不利な判決です。
争点は、今一番ホットな論点である取引中断の場合の取引の一連性についてです。
本判決は、以下の事実を認定して、中断の前と後の取引を別取引と認定しました。
1.中断期間が約3年間あること
2.中断の前と後の基本契約の内容である利息・損害金の利率が異なること
3.その他の事情に、中断期間の前後の取引を1つの取引であると認定するに値する事情が存在しないこと
です。
これを、昨日の勝訴判決の認定事実に当てはめると、
1.中断期間は約8ヶ月である
2.再度の借り入れ時に新しい基本契約が成立していたとする前提に立っても、中断の前と後の基本契約の内容である利息・損害金の利率は同じである
3.再度の借り入れは被告の側からの誘引にてなされたこと、及び、再度の借り入れの際に与信審査をしっかりと行った事実が確認できないこと、さらに中断期間の前の完済時に、被告が解約手続きを取っていないこと
などなど、もし、仮に基本契約が2つ存在した場合でも、「中断期間の前後の取引を1つの取引であると認定するに値する事情」が存在するという主張も可能かと思います。まあ、控訴審で被告が新たな証拠書類を提出してくることも可能性としてはありますが。
とりあえず、遅くとも明日には被告代理人に判決正本が送達されるでしょうから、しばし被告側の対応を見守ろうと思います。
司法書士 馬ちゃん
2008-02-18
過払い金返還請求事件で勝訴判決獲得
去年の夏ごろから続いていた大手消費者金融のA社に対する過払い金返還請求事件(不当利得返還請求事件)の判決公判が本日、ありました。
名古屋地方裁判所に係属していた事件ですので、司法書士の立場で本人訴訟の支援をさせていただきましたが、無事に864万円の支払いをA社に命じる判決を勝ち取ることができました。
まだ判決は確定していませんが、第一審の結果報告ということでご本人にTELしたところ、大変喜んでくださり、よかったです。
無担保・無保証の事件としては訴額が高額だったこともあり、被告会社が全面的に争ってきました。なぜか法務部門の責任者を証人として申請してくるという場面もありました。
問題は被告が控訴してくるかどうかですが、A社は原告に支払いをするまで、1日につき約1,000円の利息を払うことになるので、控訴しても勝機がないと判断すれば判決が確定するかもしれません。
ただ金額が金額だけにどうなんでしょうか。
判決に仮執行宣言を付けていただいたので、仮執行をすることも考えています。
司法書士 馬ちゃん
2008-02-14
たまったもんじゃないですね~
asahi.comより
消費者金融から紹介された多重債務者の債務整理で報酬を得るなどしたとして、大阪府警は8日、いずれも弁護士の角谷哲夫(61)=兵庫県西宮市高須町1丁目=と田嶋伸幸(48)=大阪市東住吉区東田辺3丁目=の2容疑者を弁護士法違反(非弁護士との提携の禁止)の疑いで逮捕した。田嶋容疑者は容疑を否認しているという。
捜査4課の調べでは、角谷容疑者は04年6月~05年11月、消費者金融「ダイエーリース」(堺市)から紹介を受け、多重債務者10人の破産手続きなどで報酬約250万円を受け取った疑い。田嶋容疑者も04年3月~05年9月、同社から紹介された11人の債務整理などで報酬約370万円を得た疑い。
破産手続きはともかく、債務整理を金融業者に有利な手続きで処理していたら
依頼者もたまったもんじゃないですね。
2008-02-13
市役所職員が生活保護受給者名簿をヤミ金に
12日、熊本県人吉市の、福祉課生活保護担当の職員が、286人分の生活保護受給者の個人情報が記載されている名簿を、自らが借りていたヤミ金に渡していたことが分かりました。
どうやら、返済に困ったところをヤミ金につけこまれたようです。脅迫が相当ひどかったんでしょうかね。私も何度か「怖いヤミ金」と話をしたことがありますが、精神的にかなり負担になりました。
困った人が最後に拠り所にする生活保護の担当職員がこんな行為をしてしまったことについて、怒りというより悲しくなりました。
当然、名簿には自分で直接担当した人もいたはずで、その人たちの顔が思い浮かばなかったんでしょうか?
私にとっては青天の霹靂でした。
司法書士 馬ちゃん
2008-02-12
消費者金融大手、営業収益は減少も、当期損益は黒字
消費者金融大手4社(アコム、アイフル、武富士、プロミス)の2007年4~12月の連結決算が8日発表されました。
営業収益は減少したものの、当期損益はいずれも黒字になりました。店舗の統廃合や従業員の削減などのリストラ効果や、過払い金返還請求対策として計上した引当金の負担が軽減されたことが一因でしょう。
また、貸付残高は、貸付時の審査を厳しくしたこともあり、三洋信販と経営統合をしたプロミスを除いて減少しました。
最終的には淘汰され2~3社になるとの話もありますが、どうなんでしょうか。
司法書士 馬ちゃん
2008-02-08
ネットワークビジネスって悪なの?
ネットワークビジネスに関する相談がありました。
化粧品を自分が自営業者のような立場で売っていき、売れるとマージンが自分と自分の上の立場の人に入るというものです。
その会社の営業マニュアルも見せてもらいました。一応法令順守の姿勢は内容から読み取れました。
しかし、その方は売り上げを上げるために最終的には商品を自腹で買い取ったり、買主にクーリングオフをさせないために、犯罪に該当するようなこともしたそうです。
自分の利益が減るだけであれば、そんなにシビアになる必要はないんでしょうが、売り上げが減ると上の立場の人の利益も減ってしまうため、どうしても無理をしたり、怪しい行為に手を染める人が多いようです。
ビジネスに関わる人のうちで、まっとうな商売をして儲かっているのは、本当に一握りのようです。
ねずみ講のように違法ではないですが、なるべくなら近づかない方がいいと思います。
司法書士 馬ちゃん
2008-02-06
ペパーレス化
世の中どんどん紙媒体のものが無くなってきますね。
例えば、居酒屋等のクーポンも携帯で取得することが出来ますし、
辞書も電子辞書が普及しているようですし…
国の登記申請もオンライン申請といってパソコンを使って申請します。
また、当事務所にご相談に来られる方もタウンページではなく、
インターネットを探して来られます。
ただ、私が使っている「六法」は未だ紙媒体です・・・
K
2008-02-05
警察からの贈り物?
本日相談にお越しになった方が、長崎県警からの「クレジット契約解除に関するお知らせ」なる書類を持参されました。
ご本人曰く「会員制レジャークラブの架空の会員権を発行され、その後に会を退会しようとしたら、退会手続きの名目で高額なネックレスを売りつけられた」とのこと。
この度、長崎県警の捜査により、犯人を検挙し、関係機関を調査したところ、相談者が顧客リストに載っていたとので、書類が送られてきたみたいです。
私たちが、相談者の件について悪質な業者と交渉をして解決しても、すぐに次の被害者が発生する状況を考えると、捜査機関としての警察に、さらに頑張っていただければと思います。
司法書士 馬ちゃん