2008-04-01

分割弁済をする場合の利息の取り扱い

 債務整理をするメリットとして何があるでしょうか。

 以下の3点が大きなメリットでしょう。

 ①過払い利息の関係で、借り入れている元本自体が減額される可能性がある。
  →例えば25%程度の利息で長年返済を続けていた方が、業者に利息を70万円払い過ぎていた場合に残元本が50万円のときは、借金が0になり、逆に20万円を返金してもらう権利が発生します。

 ②債務整理時から利息を払う必要がなくなる。

 ③債務調査に時間がかかるため、一定期間、事実上、合法的に返済をストップすることができる。

 このなかのメリット②について最近大きな変化がありました。

 大手消費者金融T社が、司法書士が介入した後の分割弁済の際に、法定利息である18%の利息を付加しての和解を要求してきたことです。

 そもそも、専門家が介入した後の利息のカットは、弁護士の諸先生方のご努力により勝ち取ったもので、法的な根拠がありません。よってT社の主張が不合理なものであるかというと、一概にそうは言えないのです。

 ただ、返済に息詰まることが全て借主の責任と言えるかというとそんなことはありません。貸す側の与信審査のずさんさなど、貸す側にもその責任の一端を負ってもらう必要があります。

 将来的な利息のカットは、僕は、そういう意味での貸す側への一種の自戒を促す意味合いもあり、また、借主の経済的な立ち直りのために、関与した者として協力していただくという側面もあろうかと思います。

 現在、大手と言えども、貸金を業としている会社の経営状態は最悪の状態で、T社としても、借主の経済的立ち直りを見守る余裕がなくなってきたということでしょう。

 当事務所でも数件の案件について、利息を付けるようにT社から要請が来ていますが、借主側の人間として、とても妥協できる問題ではないので、粘り強く交渉をし、どうしてもT社が譲らない案件については、親しい司法書士と連絡を取りつつ、状況を見守ることにしています。

 1社でも、利息を付けることが常態化してしまうと、当然他社も追従をするでしょう。それだけは何とか避けなくてはなりません。

 債務整理の業務も日々刻々と環境が変化しています。

                                 司法書士 馬ちゃん